2012年1月29日日曜日

12 January 2012 HOCAほかプロジェクト-トイレ開き-

エベシ小学校のトイレが完成したのは昨年12月末のこと。
その後クリスマスやら新年やらでなかなか学校が開かず時が過ぎた。


せっかく建てたトイレも使えるようにしないと意味はない。
それも、正しく長く役立ててもらえるように。
トイレの管理方法、使用方法、トイレを使うことの大切さに関するこの学校での啓発。
それが、広島県協力隊OB会の皆様の支援をしっかりと活かすために私に残された最後の責任。

前回若干気がかりだったトイレの便座も、保健センター主任から問題なしとの回答だっとのでホッとした。
そこで、校長先生には村人を学校に呼んでもらって、先生、児童、村の人たちみんなに対する説明会を開催。
説明は、もちろん主任が担当。
専門家の説明ほど説得力のあるものはない。


村の人たちからも質問があったりして、みんなで管理方法などを確認していく。
良い説明会となった。

説明会が終わりに近づくと、校長先生は私をみんなの円の真ん中に座るように言う。
なんだろう?スピーチとかだったら苦手だなぁと思っていると、子供たちが歌を歌い始めた。
それはオリジナルの歌詞で、♪ミナありがとう~、ずっとあなたがしてくれたことは忘れないよ~、ありがとう~♪というような歌だった。
校長先生が自分で作詞し、子供たちに練習させていたそうだ。


そして、大きな手作りの表彰状のようなものを贈呈してくれた。
そこには、「あなたのお友達、エベシ小学校児童より。本当に感謝しています。ありがとう。」と書かれていた。
お金がないので、ティッシュなどを使って作ったお花や、切り抜き。


工夫がたくさんされていて、気持ちが伝わってくる。
じ~ん。
拍手の中で私はとても暖かい気持ちでいっぱいだった。

こうして晴れてトイレ開きとなった。
村の人たちも興味深そうにトイレの個室を覗き込んでいた。

みんなの感謝してくれている気持ちももちろんとても嬉しい。
でも私は、感謝してほしくてこのトイレを建てたわけじゃない。
これを活かしてみんなの生活が向上してほしい。
それが心からの願いだ。



追記:
トイレを完成させてみて、改めて、協力隊員として日本の団体から資金援助を受けて何かをするということには当然プラス面もマイナス面もあると感じる。
良かったことは、もちろん当初の目的だった校内衛生環境の改善や、それを基にしたこの学校での保健教育が実現されたこと。
そして、何より私自身学ぶところが多かったこと。例えば、日本の援助で建物を建てるときにどんな問題が発生しうるのかなどを考えるきっかけになった。また、ベナンでの生活に疲れた時に、完成したトイレを見たいからがんばろう、というモチベーションにつながった。
逆にマイナスの側面としては、ごく稀にではあるが、これを知った近くの他の学校の校長先生に今度はうちにしてよ、と言われたりしたこと。この一部の誤った期待が、後任の負担になったら申し訳ないなぁと思う。
けれども、この学校や村にとって、今回のトイレ建設のインパクトは大きかったと思う。
間違いなくたくさんの人の笑顔を見ることができたし、今後もきっと役に立っていってくれると信じている。
最後に、エベシ小学校の状況を理解した上で私の思いに賛同してくださり、資金援助という形で力を貸してくださったHOCAの皆様には心からお礼申し上げたい。