2011年4月4日月曜日

31 Mar. 2011 委員会加盟校、前進
















前に、地域学校保健委員会加盟校の小学校、Egbessi(エベシ)とOrokoto/A(オロコトアー)について書いたことがあった。
エベシは子供が歌を歌ってくれた、素敵な校庭をもつ学校。
オロコトアーは、委員会加盟校=衛生教育のモデル校だというのに手洗い道具すらない悩ましい学校。

今週またこの二つの学校に訪れてみた。
第二回委員会会議後には初の訪問となる。
前回穏やかな改善の見られたエベシはともかくとして、オロコトアーにはもう祈るような気持ちでハラハラしながら訪れた。
モデル校として程遠い状態だったため、いつまでも何の変化も見られないままだったらどうしようかと。

でも二校ともうれしい誤算というくらいに、顕著に状況が改善されていた。

エベシは好例として紹介した他校の手洗い道具を、校長がさらに改良し見たこともないような器具を開発!!
(←写真1・2)6人の子供が一気にきれいな水で手を洗えるなんてすごい。
そして、オロコトアーにも、教室の前に色とりどりの手を洗うための洗面器(写真3・4)
絶賛しながら握手をいっぱいすると、校長も「へへへ。」というような表情で誇らしげ。
やっぱり自らの意志で委員になると名乗りを上げた意識の高い校長たちだけのことはあるな~と思う。

最近、手洗い器具や手洗いの洗面器を見つけると、テンションが反射的に上がる。
手を洗っている子供の光景は、私をうれしい気持ちにしてくれる。
なんで~?と思うかもしれないが、そこにはベナンの事情がある。
任地にある学校で、校内に水道を持つ学校はほとんどない。
たいてい近くの村のポンプから水をくんで、毎日頭の上にのせて運んでくる。
水を運ぶように子供に指示するもしないも大人。その水をどのような用途に使うかを決めるのも大人。
児童は、教師から提供されない限り、水を自由に使うことはできない。
たとえば、手洗い用の水と石鹸水が洗面器にいれて十分な数置いてあれば子供は手を洗うことができるが、そうでなければ手は洗えない。
でも、子供はそのことに慣れてしまっているので、汚い手でも平気でものを食べる。
さらに、ベナンでは学校で買うことのできる食べ物は普通みんな手づかみ。
汚い手で手づかみ。最悪な二ツ巴。
その結果か、学校によってはお腹が痛い子がたくさんいたり、校庭で吐いたり下痢をしている子がいたりする。
だから、児童の健康状態を改善するための最重要事項の一つとして、学校は手洗い道具を置き、子供に手を洗うよう指導することが求められる。
ベナン政府もそう言ってるけど、なかなか浸透しない。それでもみんなで習慣を改善していかなければいけない。

そんなわけで、重要な指針である手洗い道具と手洗い習慣。
会議でも、それに関する話し合い、情報提供、工夫例の紹介等を行った。
その内容がちゃんと反映されていることがわかったので、うれしいというか、ほっとしたというのが本音。
加盟校がモデル校(他の学校のお手本になるような学校)にふさわしい状態となること。
まずはこれが必須の第一関門。
それがある程度達成されて初めて、描いたシナリオ(学校保健における地域の組織化)の第二幕へと進んでいくことができる。
なんだか次の舞台が見えてきた!