エベシ小学校のトイレが完成したのは昨年12月末のこと。
その後クリスマスやら新年やらでなかなか学校が開かず時が過ぎた。
せっかく建てたトイレも使えるようにしないと意味はない。
それも、正しく長く役立ててもらえるように。
トイレの管理方法、使用方法、トイレを使うことの大切さに関するこの学校での啓発。
それが、広島県協力隊OB会の皆様の支援をしっかりと活かすために私に残された最後の責任。
前回若干気がかりだったトイレの便座も、保健センター主任から問題なしとの回答だっとのでホッとした。
そこで、校長先生には村人を学校に呼んでもらって、先生、児童、村の人たちみんなに対する説明会を開催。
説明は、もちろん主任が担当。
専門家の説明ほど説得力のあるものはない。
村の人たちからも質問があったりして、みんなで管理方法などを確認していく。
良い説明会となった。
説明会が終わりに近づくと、校長先生は私をみんなの円の真ん中に座るように言う。
なんだろう?スピーチとかだったら苦手だなぁと思っていると、子供たちが歌を歌い始めた。
それはオリジナルの歌詞で、♪ミナありがとう~、ずっとあなたがしてくれたことは忘れないよ~、ありがとう~♪というような歌だった。
校長先生が自分で作詞し、子供たちに練習させていたそうだ。
そして、大きな手作りの表彰状のようなものを贈呈してくれた。
そこには、「あなたのお友達、エベシ小学校児童より。本当に感謝しています。ありがとう。」と書かれていた。
お金がないので、ティッシュなどを使って作ったお花や、切り抜き。
工夫がたくさんされていて、気持ちが伝わってくる。
じ~ん。
拍手の中で私はとても暖かい気持ちでいっぱいだった。
こうして晴れてトイレ開きとなった。
村の人たちも興味深そうにトイレの個室を覗き込んでいた。
みんなの感謝してくれている気持ちももちろんとても嬉しい。
でも私は、感謝してほしくてこのトイレを建てたわけじゃない。
これを活かしてみんなの生活が向上してほしい。
それが心からの願いだ。
追記:
トイレを完成させてみて、改めて、協力隊員として日本の団体から資金援助を受けて何かをするということには当然プラス面もマイナス面もあると感じる。
良かったことは、もちろん当初の目的だった校内衛生環境の改善や、それを基にしたこの学校での保健教育が実現されたこと。
そして、何より私自身学ぶところが多かったこと。例えば、日本の援助で建物を建てるときにどんな問題が発生しうるのかなどを考えるきっかけになった。また、ベナンでの生活に疲れた時に、完成したトイレを見たいからがんばろう、というモチベーションにつながった。
逆にマイナスの側面としては、ごく稀にではあるが、これを知った近くの他の学校の校長先生に今度はうちにしてよ、と言われたりしたこと。この一部の誤った期待が、後任の負担になったら申し訳ないなぁと思う。
けれども、この学校や村にとって、今回のトイレ建設のインパクトは大きかったと思う。
間違いなくたくさんの人の笑顔を見ることができたし、今後もきっと役に立っていってくれると信じている。
最後に、エベシ小学校の状況を理解した上で私の思いに賛同してくださり、資金援助という形で力を貸してくださったHOCAの皆様には心からお礼申し上げたい。
2012年1月29日日曜日
01 Jenuary 2012 元旦@グラズエ
元旦。
ベナンで過ごす最後のお正月。
そして、グラズエで過ごす初めての年越し。
初日の出。
ベナンの人たちは、元旦は朝早くから教会のミサに行く。
私も仲良しの校長と一緒に教会へ。
相変わらず現地語で内容はよくわからないけど、知り合いにたくさん会えて新年の言葉を交わせるのが楽しい。
↑やっぱり気になるがっちりガードされているキリスト様ご本尊。檻みたいに見える・・。
その後は、校長と一緒に近所の人たちや知り合いのおうちを何件か順に訪れる。
どこのおうちでもコーラなどの飲み物とご飯が出される。
何件も回るのでご飯は少しずつ頂く。でもコーラはどこでも一瓶飲み干さなければいけないのでお腹がいっぱい。
長居はせず、どんどん回っていく。
これがベナン流のお祝いらしい。
なるほどー。
こんな風にベナンでは新年を祝うんだな。
あと3ヶ月でベナンを去る。
彼らとも離れ離れの場所で暮らすことになる。
でも、みんなにとって幸多い年になるように祈っている。
ベナンで過ごす最後のお正月。
そして、グラズエで過ごす初めての年越し。
初日の出。
ベナンの人たちは、元旦は朝早くから教会のミサに行く。
私も仲良しの校長と一緒に教会へ。
相変わらず現地語で内容はよくわからないけど、知り合いにたくさん会えて新年の言葉を交わせるのが楽しい。
↑やっぱり気になるがっちりガードされているキリスト様ご本尊。檻みたいに見える・・。
その後は、校長と一緒に近所の人たちや知り合いのおうちを何件か順に訪れる。
どこのおうちでもコーラなどの飲み物とご飯が出される。
何件も回るのでご飯は少しずつ頂く。でもコーラはどこでも一瓶飲み干さなければいけないのでお腹がいっぱい。
長居はせず、どんどん回っていく。
これがベナン流のお祝いらしい。
なるほどー。
こんな風にベナンでは新年を祝うんだな。
あと3ヶ月でベナンを去る。
彼らとも離れ離れの場所で暮らすことになる。
でも、みんなにとって幸多い年になるように祈っている。
2012年1月17日火曜日
31 December 2011 大晦日
12月31日、大晦日。
私は任地のグラズエにいる。
ベナンは常夏なので季節感がなく、クリスマスも年越しも実感がない。
そして人々は12月30日まで出勤し、1月2日から始業する。
だから、私も昨日までは普通にためてしまった仕事を片付けるべく働いていて、年末なのかな~という感じだった。
けれども今日ばかりは、なんとなくあー年が変わるんだなぁという気がしている。
とても穏やかな気持ちだ。
そして、あー大変!年が明ける前に家の大掃除をしておかなくちゃ!とか遅ればせながら思っている。
2011年が往く。
日本では震災があり、個人的にも悲しい出来事のあった年。
けれども、たくさんの人の優しさを感じた年でもあった。
日本にいる人たちのことを思い出す。
遠くにいてもいつも見守ってくれている家族。
離れていても連絡一本で昔に戻れるような古い友人。
たくさんの人に支えられている。
学んだ年でもあった。
ベナンの人たちとは、色々な出来事を一緒に経験することでお互いを知ることができた。
彼らの素敵なところを発見できた。
日常の試行錯誤の中で、教えてもらったことがある。
笑顔にはほとんどの人が笑顔で返してくれるということ。
不機嫌そうな売り子のおばちゃんがパッと笑顔になったその顔を見ると、ああこの人はこんなかわいらしい人だったのかと思う。
心をこわばらせていたのは、自分の方だったと気づく。
そうして接するようになってから、彼らにたくさんの元気をもらうようになった。
ふさぎこんでいる時に、笑顔と冗談は心の雲を晴らしてくれた。
「人は幸せだから喜ぶのではなく、喜ぶから幸せなのだ」哲学者のそんな言葉がリンクする。
必死になった年でもあった。
何度も自分と向き合った。
そこで見えてきた弱さ。臆病さ。
今、自分は何を持っていて、何が足りないのか。
成長したいと心から願った年だった。
この一年は、たくさん泣いたり笑ったりした。
失敗もいっぱいした。
ぶつかって転んで、その度に立ち上がる。
そんなことの繰り返しだった。
だけど、無駄なことは何一つなかったと思っている。
走り抜けてきた。走れる限り走った。
だから、今はとても穏やかな気持ちだ。
これから先の道がどんな風に続いていたとしても、後悔はない。
心にあるのはただ一言。
「感謝」
私は任地のグラズエにいる。
ベナンは常夏なので季節感がなく、クリスマスも年越しも実感がない。
そして人々は12月30日まで出勤し、1月2日から始業する。
だから、私も昨日までは普通にためてしまった仕事を片付けるべく働いていて、年末なのかな~という感じだった。
けれども今日ばかりは、なんとなくあー年が変わるんだなぁという気がしている。
とても穏やかな気持ちだ。
そして、あー大変!年が明ける前に家の大掃除をしておかなくちゃ!とか遅ればせながら思っている。
2011年が往く。
日本では震災があり、個人的にも悲しい出来事のあった年。
けれども、たくさんの人の優しさを感じた年でもあった。
日本にいる人たちのことを思い出す。
遠くにいてもいつも見守ってくれている家族。
離れていても連絡一本で昔に戻れるような古い友人。
たくさんの人に支えられている。
学んだ年でもあった。
ベナンの人たちとは、色々な出来事を一緒に経験することでお互いを知ることができた。
彼らの素敵なところを発見できた。
日常の試行錯誤の中で、教えてもらったことがある。
笑顔にはほとんどの人が笑顔で返してくれるということ。
不機嫌そうな売り子のおばちゃんがパッと笑顔になったその顔を見ると、ああこの人はこんなかわいらしい人だったのかと思う。
心をこわばらせていたのは、自分の方だったと気づく。
そうして接するようになってから、彼らにたくさんの元気をもらうようになった。
ふさぎこんでいる時に、笑顔と冗談は心の雲を晴らしてくれた。
「人は幸せだから喜ぶのではなく、喜ぶから幸せなのだ」哲学者のそんな言葉がリンクする。
必死になった年でもあった。
何度も自分と向き合った。
そこで見えてきた弱さ。臆病さ。
今、自分は何を持っていて、何が足りないのか。
成長したいと心から願った年だった。
この一年は、たくさん泣いたり笑ったりした。
失敗もいっぱいした。
ぶつかって転んで、その度に立ち上がる。
そんなことの繰り返しだった。
だけど、無駄なことは何一つなかったと思っている。
走り抜けてきた。走れる限り走った。
だから、今はとても穏やかな気持ちだ。
これから先の道がどんな風に続いていたとしても、後悔はない。
心にあるのはただ一言。
「感謝」
2012年1月16日月曜日
20 December 2011 初等教育省年間報告会
ベナンの初等教育省に対する年間報告会が行われた。
これは、学校保健にたずさわるベナンの隊員とJICA事務所が教育省に対して報告を行う会議のようなもの。
去年初めて行われて、今年は2回目になる。
各隊員の配属先長も招待された。
ベナンの新聞でも紹介された。
こうして少しづつでもベナンで日本の存在が周知されていくようになればと願う。
個人的には、隊員活動の一例としてプレゼンをさせてもらった。
多くの人の前で何かを発表するのは緊張するし好きではなかったのだけど、今回はどうしても伝えたいなと思ったのでやることにした。
でもやってみると意外と楽しいもので、自分がこうして発信することで人にちょっとでも利益や影響をもたらすことができればこんな喜びはないと思った。
特に発表内で紹介した「身体測定分析結果報告書」に関しては、栄養不良の実態についての質問が出席者より聞かれた。
それに対して自分の配属先の視学官は、真摯に回答してくれた。
これをきっかけに、会場では児童の栄養不良の問題について話し合う時間がもたれた。
これは私にとってとても嬉しいことだった。
任地で行った身体測定や報告書で論じた問題提議が今回の場でより多くの人の耳に届けることができたから。
今後もこういう機会があれば大事にしていきたいなと思う。
個人的に新しい楽しさを感じた報告会だった。
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