児童の身体測定を3カ月かけて行ってきたということを前に書いたことがあると思う。
これは、任地の看護師隊員とのコラボでやってきたお仕事。
委員会加盟校をすべて終えた今、集まったデータは約2,000人分。
この人数のデータは活かさなければもったいないというJICAの健康管理委員のアドバイスで、報告書としてまとめることに決めたというのが先月のお話。
そのために上がってきたコトヌー。
ベナン大統領選挙にともなう安全措置で、私たちベナン隊員はずっと都市間移動が禁止だったので、約3カ月ぶりのコトヌー!
おいしいものを食べるぞー!!
ソーセージ買って任地に持って帰るぞーー!!
仕事で上がってきたはずだけど、久々のコトヌーは良いリフレッシュにもなった。
やっぱりおいしいものが食べられるって幸せ!!
報告書としてまとめるには、まずデータの統計処理をしないといけない。
WHOの統計ソフト(正確にはグラフ化ソフトというらしい)を使って、とりあえずグラフは出た。
WHOの基準と比較して、高いか低いか。比べるのは、身長、体重、体格指数。
だけど、グラフが読めませーん!
Z-scoreとかSD(標準偏差値)とか聞いたことのない言葉が出てきてわからない!
ということで。
コトヌーで仲間の統計隊員に教えてもらうことになった。
私は数字に弱いので、はじめは頭が痛くなりそうだったけど、わかるようになると面白い。
上の写真は教えてもらっているときの様子。ドミで。
ベナンの子供は、やっぱり小さいね~。
栄養不良状態とされる子供の割合も多い。
身体測定の結果を解説する箇所は、統計隊員が自ら書いてくれて大助かり。
言葉の使い方がよくわからないから。
保健分野とは関係がないのに、快く協力してくれたことに本当に感謝。
こうして一週間かけてできた報告書。(下)
提出先はWHO、ベナン教育省、保健省の予定で、教育省表敬発表のときにはプレゼンして内容を紹介する予定。
児童の栄養失調問題はMDG(ミレニアム開発目標)に入っていないことで見過ごされがちだけど、あえてUNICEFやUNDPにアプローチするのも面白いかもしれない。
でも、それに先駆けて日本人関係者とJICAへの報告目的のために日本語バージョンを完成させる。
まだ少し考察部分を修正するけど、大方、形になった。
提案箇所はまだまだ自分の知識や研究が足りないことで、どれほど意味のあるものとなったかはわからない。
ただ、今回の報告書は論文ではないのでこれくらいが適当かと思う。
すごく難しいところだけど。
久しぶりに論理的に頭を使ったような気がする。
ぶつかる壁も多々あったし今もまだ完全に満足できるものだとは言えないけど、書いているときはとにかく楽しかった。
理系の論文の書き方や流れも少し知ることができたのも面白かったし。
考察部分(問題指摘と解決のための提言)をまとめるために、多少関係資料も読んだことで知識が増えて自分の活動をとりまく全体像が見えてきた。学校保健の意義とか、それをとりまく国際潮流とか。
国家レベル、地域行政レベル、コミュニティレベルでの課題とか。
1年前に同じものを読んだ時にはあまりよくわかっていなかったことが、実務を行ってきたことで今は言っていることがすごくクリアに見えてくる。正直、目から鱗!
開発学っていうのは、現場を知ってやっと言っている意味が本当にわかるっていうところがあるんだなって思う。
これから、この報告書をどう活用していくか。
それが課題。