2011年3月13日日曜日
12 Mar. 2011 日本の地震
「日本で巨大な地震があり、津波による大規模な被害が青森から千葉沿岸部に出ている」という内容の緊急連絡がJICA事務所から回ってきたのは、昼を過ぎた頃だった。
津波による被害とあって、十分恐ろしい響きではあったけど、どれほどの規模の被害なのかどのくらいの範囲に及ぶものなのか正確なことはその時はわからなかった。
神奈川県の家族に電話してもつながらず、それが地震の影響なのだろうとは思った。
地震の規模や被害状況がよくわからなかったので、世界規模のニュースで取り上げられているか半信半疑でテレビをつけてみると、フランスやアフリカのニュース番組でも日本の地震・津波被害の報道ばかりが繰り返されている。
津波が家屋を飲み込んでいく映像、工場が火をふいていたり、逃げる人々、俄かには信じられない報道ばかり。
ベナンにいると日本から離れている分だけ日本のすべてを愛おしく思う。
映像を見ていると泣きたくなった。
家族のこともどんどん心配になってきた。
職場のベナン人職員が、日本で地震があったみたいだから心配で・・と電話をくれた。
家族に電話はつながらなかったけど「大丈夫だと思う」と答えると、彼女はDieu Merci(神様ありがとう)とほっとした様子で喜んでくれた。
彼女の想いやりで、少し温かい気持ちになった。
翌日、家族とは連絡がとれて、みんな無事だった。
けれども、ベナン隊員の中には家族とまだ連絡がとれない人もいる。
ある隊員は、警備員と一緒に村のベナン人占い師に日本の家族の安否を占ってもらいに行ったそうだ。
すると、占い師は「家族は大丈夫だ」と言ったそうだが、家族の安全のためには「ホロホロ鳥二羽と鶏一羽を犠牲にしなければならない」というようなことも告げたらしい。
隊員は今日、鳥を絞めようと探しているとの話だった。
どんなに情報を拾おうとしても、日本にいない私たちには限界があり、日本が本当にどういう状況で人々がどんな気持ちで過ごしているのかはなかなかわからない。
けれども、心から日本にいる人たちの無事と、被害にあわれた方の救済・復興を祈っている。
写真:報道番組Africa24に映る菅総理。