2011年5月16日月曜日

6 May 2011. 学校査察と住民啓発


PACKが終わり、また保健センターの主任とそのアシスタントさんとの学校の査察が再開。
委員会加盟校を訪問して、夏休み後に行うコンクールの評価基準に従って校内衛生環境の評価を行うという活動。
これは、モデル校としてふさわしい状態に学校が近付いているかを確認し、残る課題を校長や教師と一緒に考えるため。
それと同時に、村長やPTAなど一般住民を集めて衛生啓発や指導を行う。
こっちは、子供の衛生習慣に関する教育を学校と家庭の双方から強化することと、学校の公共物を汚さないでと訴えかけるのが目的だ。(上の写真。熱弁する主任と聞き入る住民たち。)

今までの仕事でベナン人とこれほど密に一緒のプログラムを実行したことは初めて。
だから、驚くこともたくさんある。
でも、この仕事はとても気に入っている企画の一つ。
気に入っている理由は色々ある。
一つは、この企画は委員会で話し合った問題に対して、そこで出た解決策を具体化して実現したものだということ。
委員会が形だけではなくて実のあるものになったことが嬉しい。
もう一つは、地元の人(主任)が必要性を感じて大きな役割を担っている企画だから。
彼は、委員会の話し合いに参加したり今まで二人で話し合って描いてきた将来の企画のために、今回の査察がとても効果的だと感じていて、やる気や熱さが伝わってくる。
主任が自ら地元の人に啓発や指導を行うことが生む効果は、私が同じことをするよりも何十倍も高いと感じている。
それは、彼が地元の事情をよく知っていて、その事情にそぐう専門知識があるので適切な説明をできるということ。
それから、聞く側の姿勢が違うこと。主任が来るということで住民も真剣になるし、この会合は大事なことなんだなと思っている様子。まず、聞く姿勢を引き出さなければ何の話も馬の耳に念仏なので、このことは大きいと思う。
ベナンの社会は、権力のある人や年長者に敬意を示し、人々はその人たちの言うことを尊重する傾向がある。
ある程度の地位がなければ、言っていることが正しくても、場合によっては笑い話ですまされ真剣に取り合ってもらえないようなところもあるように感じる。

私は自分のここでの役割は、地元の人たちの活動に推進力を加えることだと思っている。
外部から推進力として付け足すものは、新しい視点かもしれないし、技術かもしれないし、資金援助かもしれない。
ただ、その土地に将来訪れるべき未来像は地元の人たちによって描かれるべきだし、その実現は地元の人たちが自分たちの意思と手、そして想いで行われるべきだと思う。
この企画では、話し合いの段階、企画段階、実行段階すべてで地元の人が主体となってきた。
だから、私はある意味で納得が入っているのだと思う。

主任とも目的を共有する本当にいいパートナーとなれて、なんだかチーム。仲間。
最近はそんな言葉がしっくりくる。
それもとても嬉しい。


学校。改善が見られている。前はなかった簡易水道が校長によって設置された。


遠くから手を振る子供たち。「ヨボー(白人)!」 笑顔がかわいい。
子供がとても嬉しそうに設置された簡易水道の水を飲んだり手を洗ったりしている。
青空会議中にずっと見ていると、みんな頻繁に水を飲みに来て、以前バケツに水が貯めてあるだけのときは飲んでいる子の姿はあまり見なかったのに、みんな実は喉がかわいてたのかな?と思う。

きっといつかこの新しく購入された器具も壊れるときが来るだろう。
その時に校長が修理したり、また新しいものを購入するかどうか。
それが継続性という一番難しい課題。
そのためには、校長や先生たちにこういう設備をもうけることの大切さを心から理解してもらわないといけない。
今はたとえ小手先の改善でも、水が徐々に土壌に染み込んでいくように少しづつそれが当たり前のことになっていくといいなと思う。