2011年3月13日日曜日

10 Mar. 2011 指導者学校保健委員会 第二回会議開催


地域学校保健委員会。

正確には、Comité de Direction de Santé Scolaire(指導者学校保健委員会)という。
自分の提案で配属先の視学官事務所が去年の10月に発足させた委員会だ。
学校保健に携わる職務につくキーパーソン9人と有志の小学校校長12人から構成される。

その第二回会議を本日開催。

第一回会議のあと、自分のマラリア罹患や総会でだいぶ期間があいてやっと実行に移すことができたこの会議。
結果、どうだったか?
私の全体的な印象として言えることは、前回に比べて非常に難しい会議になったということ。
端的に理由を挙げると、会議の流れがはっきりせず迷走ぎみだったこと。
こちらが会議の場で実行したいと意図することがなかなか明確に伝わらなかったということ。
流れの悪さによって、委員たちの集中力や緊張が削がれたこと。

今回は視学官の都合により、午後からの会議の開催に。
30分たった頃にだいたいメンバーが揃い、開始。
ベナンでは会議の予定時刻に始まらないということは常識だけど、時間どおりに来て待っているメンバーもいるので主催者側の私は申し訳なくてドギマギ。
彼らが「時間どおりに来たのに始まんねーよ!」と思ってるのか「こんなもんだ」と何とも思っていないのか私にはまだベナン人の気持ちがわかりきらない。

会議の日の午前中に困ったお知らせが。
視学官が市役所に行ってから会議に行くので一時間くらい遅れるとのこと。
彼が会議を議事進行することになっていたし、視学官は自分の配属先長なので企画や進行の全体像を最も把握していて、抜けられるのは大変困る。
けれども用事が終わり次第かけつけるといって、彼は視学官事務所ではナンバー2の位置づけとなる地域管理者3人の中の1人に代わりに司会進行を頼んだ。
前回、この地域担当者が会議のプログラムを把握していなかったことがまずかったと思ったので、今回は事前によくコミュニケーションをとるように努めていた。
だから、事前にプログラムも紹介していたし、なんとか代理で議事進行できるかと思った。

けれども、やっぱり視学官不在が今回の一番のネックになった。
事前に説明もしたしプログラムの内容の申し合わせもしていたはずなのに、議事進行の地域管理者はまったくプログラムに書かれている意味を理解していない。
それが進行中に発覚したから最悪だ。
書いてあることを読んでくれればいいように、会議のモデュールを作っているにもかかわらず違う方向へ。
寄り道をしても軌道を戻してくれればいいと思い、ここをとにかく読んでください、といっても伝わらず。
仕方なく自分で読み上げる羽目に。
私のフランス語はどうしても現地の人には聞き取りにくいからあまりやりたくなかったんだけど、結局半分、自分で議事進行するという由々しき事態に何度か陥った。

自分が議事進行したり表に出ることの弊害は言葉の聞き取りにくさだけじゃない。
この委員会は視学官の管理のもとにあるということで緊張感や公式性を保っているところがある。
だから私の名のもとに集まった会議という様相を呈してはいけないのだ。
視学官が必要性を感じて招集をかけているということが、委員のモチベーションを保つことにある程度貢献していると私は考えている。

とにかく自分では思うようにいかない会議だったけれども、同時に一定の効果を生むものではあったと思う。
予定していたプログラムを結果的には消化できたこと、議論がアクティブに行われたこと、また保健センターの権力者の参加を得られ彼が存在感を示した、というような点では、生産的であったと思う。
余談だけど、校長や地域管理者は、私から見たらあんなグダグダな会議だったのに、C'est bien passé.(うまくいった)と言っていた。ほんとに~?と思ってちょっと笑ってしまった。
さらに「みんなやる気はあるんだけど、ただ都合がつくかどうかっていうところが難しいんだよ。学校によっては校長一人しかその学校にいなかったりするからね。」との校長の話。
会議のあとは、密かにちょっとヘコんでいたので、慰められた。
ありがとう、校長。

最後に、この場を借りて残った課題だけは明確にしておきたい。

<なぜ、視学官が来なかったか>
今後どうしたらもっと視学官の主体的な参加を促せるか?
視学官の職務規定に学校保健は記載されていないので優先順位が低くなるのは必然的なことだが、それでも彼にもっと主体的役割を担ってもらう必要がある。
また、将来的には今の委員の校長たちが主導権をにぎる委員会を目指すが、今この時点では委員会の重要性や公式性を保つために視学官側の参加は重要。

<この委員会をもう一度びしっと引き締めるにはどうしたらいいか>
委員たちのモチベーションをあげたり積極性を促す企画をどう練っていくか。

<ベナン人の思考パターンの再考>
それに合った会議のプログラムの作り方を検討すること。

この辺の分析に来週は努めつつ、視学官や他のキーパーソンとの個別の話し合いを持ちたいと思う。
そして会議決定事項をまとめたり進化させたりしようと思う。
ただでは転びたくない!

写真:会議の様子